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コラム

2026/03/08

強迫症(OCD)への認知行動療法カウンセリング|症状の仕組みとCBTの考え方

岡村 優希

執筆・監修者:

岡村優希(YUUKI OKAMURA)

はじめに

こんにちは。
認知行動療法カウンセリングセンターです。

「何度確認しても不安や恐怖、不快感が消えない」
「分かっているのに同じ行動を繰り返してしまう」
「確認や手洗いに多くの時間を使ってしまう」

このような状態が続いている場合、強迫症(OCD)の可能性があります。

強迫症は、本人の意思が弱いわけでも、性格の問題でもありません。
むしろ

「不安や恐怖、不快感を減らそうとする努力」が、結果としてそれらを維持してしまう

という心理的な仕組みが関係しています。

この記事では、

・強迫症がどのように起こるのか
・なぜ症状が続いてしまうのか
・認知行動療法ではどのようなカウンセリングを行うのか

について解説します。


強迫症(OCD)とは

強迫症は

強迫観念強迫行為

という2つの要素から構成されることが多いとされています。

強迫観念

頭に浮かんできて離れない考えやイメージ。


・汚染されているのではないか
・鍵を閉め忘れたのではないか
・誰かに危害を加えてしまったのではないか

こうした考えは、本人も「考えすぎかもしれない」と理解している場合が多いものの、不安が強く繰り返し浮かんできます。


強迫行為

強迫観念によって生じた不安や恐怖、不快感を打ち消すための行動。

洗浄強迫:何度も手を洗う

確認強迫:鍵やガス栓を何度も確認する

加害強迫:事故を起こしていないか確認する

これらの行動は、不安や恐怖、不快感を減らすために始まることが多いのですが、結果として症状を長引かせてしまうことがあります。


強迫症を維持する「不安や恐怖、不快感と行動の悪循環」

強迫症では、次のようなサイクルが起こることが多いとされています。

刺激

強迫観念が浮かぶ

不安や恐怖、不快感が高まる

強迫行為を行う

一時的に安心する

再び不安や恐怖、不快感が生じる

この

「不安・不快感 → 行動 → 一時的解消」

のサイクルが繰り返されることで、

・確認回数が増える
・時間がかかる
・生活への影響が大きくなる

といった状態につながることがあります。


認知行動療法で行われるアプローチ

強迫症に対する心理療法の中で、効果が確認されている方法の一つが曝露反応妨害法(ERP)と呼ばれるアプローチです。

これは曝露反応妨害という2つの要素を組み合わせたものです。


曝露

これまで避けてきた状況に自ら触れていくこと。

汚れていると感じるものに触れる


反応妨害

不安や恐怖、不快感を下げるための行動をあえて行わないこと。

例えば

・汚いと思うものに触った後、手を洗わない
・鍵をしているか気になっても確認しに戻らない

もちろん、いきなり難しい課題を行うわけではなく、段階的に進めていきます。


不安や恐怖、不快感があっても「できた経験」を積み重ねる

多くの方は

「そんなことをしたら不安や恐怖、不快感が耐えられないのではないか」

と感じます。

確かに、不安や恐怖、不快感が完全になくなるわけではありません。
しかし認知行動療法では、

「不安や恐怖、不快感がありながらも行動できた経験」を積み重ねていくこと

を大切にします。

例えば、

・手を洗わなくても過ごすことができた
・確認を一度で終えることができた
・不安や恐怖、不快感を感じながらもその場を離れずにいられた

といった経験です。

こうした経験を繰り返すことで、

「不安や恐怖、不快感があっても行動できる」
「不安や恐怖、不快感があっても生活は続けられる」

という感覚が少しずつ育っていきます。

その結果として、

・強迫行為に頼る頻度が減る
・不安や恐怖、不快感への対処の幅が広がる
・日常生活の自由度が増える

といった変化が生まれていきます。

認知行動療法では、不安や恐怖、不快感を完全に消すことを目標にするのではなく、 不安や恐怖、不快感に振り回されずに生活できる範囲を広げていくことを目指していきます。


見落とされやすい「頭の中の確認」

強迫症では、行動だけでなく頭の中での確認が症状を維持している場合もあります。

例えば

・鍵を閉めたか思い返す
・大丈夫と自分に言い聞かせる

こうした行為はメンタルチェッキングと呼ばれ、強迫行為と同じ役割を持つことがあります。

カウンセリングでは、このような思考のパターンも整理していきます。


カウンセリングで大切なこと

強迫症の多くの症状は日常生活の中で起こります。

そのためカウンセリングでは

・曝露課題
・不安や恐怖、不快感の記録
・行動の振り返り

といったホームワーク(宿題)が重要になります。

カウンセリングの時間だけでなく、日常生活の中での実践が改善につながるポイントです。


強迫症は改善が期待できる症状です

強迫症は、

・自分の努力が足りない
・性格が弱い

といった問題ではありません。

むしろ

不安に対して真剣に向き合ってきた結果

として起こっている場合も少なくありません。

適切な心理療法によって、行動パターンを少しずつ変えていくことは可能です。

もし

・確認や手洗いに多くの時間を使っている
・不安や恐怖、不快感で日常生活が制限されている
・一人では対処が難しい

と感じている場合は、専門家に相談することも一つの方法です。


認知行動療法カウンセリングセンターのご案内

認知行動療法カウンセリングセンターでは、強迫症や不安症に対する認知行動療法(CBT)を専門的に行っています。

初めての方には、現在の状況を整理するための相談も行っています。

詳しくはこちらをご覧ください。

公式サイト
https://cbt-counseling.jp/

オンラインカウンセリングにも対応しておりますので、全国からご相談いただけます。

一人で抱え込まず、必要に応じて専門家のサポートを活用してみてください。

この記事の執筆者・監修者

岡村 優希

代表

岡村優希YUUKI OKAMURA
資格
公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士
学会
日本認知療法・認知行動療法学会一般社団法人、日本認知・行動療法学会
広島県出身。 広島の私設相談室や医療機関で、うつ症状・不安症・強迫症などに苦しむ方々に認知行動療法を提供してきました。 その後、滋賀県の認知行動療法専門機関や医療機関で、さまざまな困りごとを抱える方々に対して認知行動療法の支援を行い、長浜市ひきこもり支援員としてひきこもり相談や滋賀県スクールカウンセラーとして児童思春期臨床にも携わりました。そして、2022年より株式会社CBTメンタルサポートの代表取締役として、認知行動療法の専門家養成やカウンセリングルームの運営を行っております。
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