カウンセリングを受けるとどうなる?「話を聞いてもらう」だけではないカウンセリングの効果
こんにちは。認知行動療法カウンセリングセンターです。
「カウンセリングを受けたら、実際どうなるんだろう」「話を聞いてもらうだけで、本当に何か変わるのだろうか」。カウンセリングを受けたことがない方にとって、これはかなり分かりにくいことだと思います。
私は以前から、カウンセリングというサービスは少し“中身が見えにくい”と感じています。美容院なら髪を切る、病院なら診察や検査を受ける、とある程度イメージできます。しかしカウンセリングは、何を話すのか、カウンセラーは何をするのか、そして何回か受けることで何が変わるのかが見えにくい。その分からなさ自体が、相談するハードルになっている部分もあるでしょう。
当センターで事前無料相談を行っているのも、そのハードルを少し下げたいからです。この記事では、特に「カウンセリングを受けると何が変わるのか」という点から、私たちがカウンセリングで行っていることを紹介します。
カウンセリングの「効果」とは何でしょうか
カウンセリングの効果というと、「不安がなくなる」「落ち込まなくなる」「嫌なことを考えなくなる」といった変化をイメージするかもしれません。もちろん症状そのものが軽くなっていくこともあります。
ただ、実際の変化はもう少し段階的です。例えば不安が強い方であれば、最初から不安がゼロになるわけではありません。不安はあるけれど、今まで避けていた場所へ行ってみる。不安はあるけれど、人と話してみる。不安はあるけれど、何度も確認せずに一度そのままにしてみる。こうした「不安がありながらもできること」が少しずつ増えていきます。
うつ状態で何をするのも億劫な方の場合も同じです。ある日突然やる気に満ちあふれるというより、「しんどいけれどシャワーを浴びてみる」「少しだけ外に出てみる」「10分だけ取り組んでみる」といった小さな行動が増えていく。その積み重ねの中で、生活のリズムや活動範囲、達成感、人との関わりなどが少しずつ戻ってくることがあります。
つまり、まず感情が変わってから行動できるようになるとは限りません。行動の幅が少しずつ広がることで、結果として感情や考え方にも変化が起きてくることがあります。
「不安だからやめる」から「不安だけど自分で選ぶ」へ
私がカウンセリングにおける大きな変化の一つだと考えているのが、自分で選択できる範囲が増えていくことです。
例えば、「不安だから行かない」「失敗すると思うから挑戦しない」「今日は気分が落ち込んでいるから何もしない」という状態では、感情や考えがそのまま行動を決めています。
カウンセリングを通して目指すのは、不安や嫌な考えを完全になくしてから行動することではありません。「不安はある。でも行くかどうかは自分で選ぶ」「失敗するかもしれないと思っている。でも挑戦することもできる」「今日は億劫だけれど、少しだけ動いてみよう」と選べるようになることです。
これは、不安を無視するという意味でも、無理をするという意味でもありません。自分の中に起きている感情や考えを理解したうえで、それだけに振り回されず、自分が大切にしたい方向に行動を選べるようになるということです。
その結果として、これまで不安や落ち込みによって狭くなっていた生活の範囲が少しずつ広がっていきます。私は、これもカウンセリングの大切な「効果」だと考えています。
では、そのためにカウンセリングでは何をするのでしょうか
まず行うのは、「今、生活の中で何が起きているのか」を整理することです。
例えば「不安が強い」という相談でも、人によって中身はまったく違います。人前で失敗することが怖い人もいれば、病気になることが怖い人もいます。間違いがないか何度も確認してしまう人もいれば、怖い場所そのものを避けている人もいます。
そのため、「不安があります」という言葉だけで理解するのではなく、「どんな場面で不安になるのか」「その時に何を考えているのか」「身体にはどんな反応が起きるのか」「その後どう行動しているのか」「その結果どうなっているのか」といったことを具体的に聞いていきます。
例えば、「失敗したら大変なことになる」と考える→不安になる→何度も確認する→一時的には安心する→しかし次の場面ではさらに確認しないと不安になる、といった流れが見えてくることがあります。
こうしたその人特有の繰り返されているパターンを一緒に整理することが、カウンセリングの重要な部分です。
カウンセリングでは「困りごとの地図」を一緒につくる
認知行動療法では、このように「なぜ今の困りごとが起きていて、なぜそれが続いているのか」を整理することをケースフォーミュレーションと呼びます。
難しく聞こえますが、私は「困りごとの地図を一緒につくる作業」と考えると分かりやすいと思います。
カウンセラーは話を聞きながら、「特にこういう時につらくなるのかな」「その時にはこういう考えが浮かんでいるのかな」「この対処はその場では役立っているけれど、長期的には困りごとを続ける要因にもなっているのかな」と仮説をつくります。
ただし、カウンセラーが一方的に「あなたの原因はこれです」と決めるわけではありません。「お話を聞いていると、こういうことが繰り返されているように感じましたが、どうでしょう?」と本人に確認します。違えば修正しますし、足りないところがあればさらに聞いていきます。
カウンセリングは、カウンセラーが正解を教えるというより、本人と一緒に何が起きているのかを見つけていく作業でもあります。
分かってきたら、少しずつ「違うこと」を試してみる
パターンが見えてきたら、その中のどこを少し変えてみるかを考えます。
不安から何でも避けているのであれば、無理のない範囲で少し近づいてみることがあるかもしれません。何度も確認してしまうのであれば、確認の回数を少し減らしてみることもあります。活動量が落ちているのであれば、「やる気が出たら動く」のを待つのではなく、小さな活動から増やしていくこともあります。
また、「失敗したらすべて終わりだ」と考えているのであれば、本当にそうなのかを一緒に検討することもあります。
重要なのは、カウンセリングルームの中で話して終わらないことです。実際の生活の中で少し違うことを試し、「やってみたらどうだったか」を次のカウンセリングで振り返ります。
うまくいかなければ、「なぜうまくいかなかったのか」をまた考えます。うまくいったのであれば、「何が役に立ったのか」を整理し、その経験を少しずつ広げていきます。
整理する→試してみる→振り返る→また調整する。
こうしたサイクルを繰り返しながら、少しずつ生活の中で選択できることを増やしていきます。
初回カウンセリングでは、まずそのための地図をつくります
初回から、いきなり難しいことに挑戦するわけではありません。まずは現在のお困りごとを聞き、生活の中で何が起きているのかを整理するところから始めます。
私自身の場合は、初回の50分の中でも「どんな状況で」「何を考え」「どんな反応が起き」「どのように対処し」「その結果どうなっているのか」をできるだけ整理し、ある程度の見通しを一緒につくるようにしています。
ただし、相談内容によっては初回だけでは十分に整理できないこともあります。その場合は、「今日はまず困っていることを聞かせていただきました。次回は今日のお話をもとに、なぜこの状態が続いているのか、どんなことができそうかを一緒に考えましょう」とお伝えします。
初回で正解を出す必要はありません。話を聞きながら仮説をつくり、実際の生活で確認し、必要なら修正していきます。
「話を聞いてもらう」ことも大切。でも、それだけではありません
もちろん、自分のことを安心して話せることそのものに意味がある場合もあります。「こんなことを誰にも話せなかった」ということを話せたことで、少し楽になることもあるでしょう。
一方で、認知行動療法を中心とした私たちのカウンセリングでは、そこで終わるのではなく、「では、この先どうしていけば今より生活しやすくなるだろう」と一緒に考えていきます。
何が起きているのかを理解する。繰り返されているパターンを見つける。これまでとは少し違うことを試してみる。その結果を振り返る。そして少しずつ、自分で選べることを増やしていく。
これが、私たちがカウンセリングで行っていることの一つです。
カウンセリングを、もう少し「見えるもの」にしたい
カウンセリングは、実際に受けてみなければ分からない部分が多いサービスです。しかし、何をするのかまったく分からない状態で相談を申し込むのは、不安があって当然だと思います。
だからこそ私たちは、カウンセリングでどんなことをするのか、どのような変化を目指しているのかを、できるだけ分かりやすく伝えていきたいと考えています。
カウンセリングを受ければ、必ず不安がなくなる、悩みがすべて解決する、というものではありません。変化の仕方や必要な期間も人によって異なりますし、医療機関での治療など別の支援が必要になる場合もあります。
それでも、自分の中で何が起きているのかを知り、今までとは少し違うことを試しながら、できることを増やしていくことはできます。
不安をなくしてから生きるのではなく、不安があっても選べることを増やしていく。
しんどさに振り回されるだけではなく、自分で選択できる生活を少しずつ取り戻していく。
そのための一つの方法として、カウンセリングを活用していただければと思います。
カウンセリングのお申し込み・事前無料相談
「カウンセリングを受けてみたい」という方だけでなく、「自分の悩みでも相談できるのか知りたい」「どのようなカウンセリングになるのか聞いてから考えたい」という段階でも、事前無料相談をご利用いただけます。
カウンセリング・事前無料相談のお申し込みはこちら
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カウンセリングを受けるかどうかも含め、ご自身に合う相談方法を考える機会としてご活用いただければと思います。


